ベランダで家庭菜園講座第5回(最終回)

第5回 冬越し野菜の手入れ

1 これまでのおさらい
(1)第1回 夏野菜の作付け
 1)プランターについて
   ・入れ物なので何を使ってもよい。一般的には園芸店で販売している固いプラスチックのもの。底に穴さえ空いていればよい。
 2)土について
   ・培養土でもいいが、田舎でもらう土でもよい。
   ・作るなら赤玉土の一番細かいものを本体とし(空気の流通はよい)、それに足りない養分として腐葉土でよく腐植したものを3割位(これには肥料分はない)、それに化成肥料を加える。
 3)植え付け
   ・あまり深く埋めたり深く蒔くのはよくない。
   ・浅植え。苗が柔らかいプラスチックの鉢に入れて売られているものなら、その表面が隠れる位。
   ・土の表面は、水があふれないよう植えた鉢の上から2㎝位下のところ。
 4)水遣り
   ・下の穴から抜ける位たっぷりやる。
 5)植える夏野菜
   ・実の付くもの。トマト、ナス、瓜類(キュウリ、ニガウリなど)

(2)第2回 夏野菜の手入れ・収穫
 1)支え
   ・倒れないよう支柱を使う。キュウリ、ニガウリは伸びるので長いものを、ピーマン、ナスは伸びないので中位のもの。
   ・長いものをまっすぐ立てると割とすぐ上に行き着いてしまう。このため誘引して、巻くような形でもっていく。
   ・プランターでは支柱は倒れやすいのでポリひもで鉢ごと支えてやる。
   ・エダマメ・ツルなしインゲンは支柱は立てなくてもよい。
 2)整枝
   ・脇芽がどんどん出てくる。これをどうするかが理解しにくかったかもしれない。
   ・基本としては、キュウリ、ニガウリは出てくるつるはそのまま伸ばさず、実(雌花)がついた所の先葉を1枚残して切る。
     *キュウリは親ツル以外に雄花がつかない
   ・トマトは花のつく下の枝が強いので、一本立てが基本。10㎝以内で摘み取る。鋏で切ると脇が生きているのでまた伸びる。横に引っ張って取る。
 3)収穫
   ・大きくなるまで時間がかかるが、ナスは黒色なので収穫が遅れないようにすること。
   ・一番果のときは実を成長させる栄養が少ないのであまり大きくなるまで置かない。最初の2つ位は小さいうちに取る。そうすると木が楽になり後で多く穫れる。

(3)第3回 秋野菜の種類と苗の植え付け
 1)秋野菜
   ・涼しい気候を好むもの。実がなるよりも根を張るもの。キャベツ、白菜、ホウレンソウ、チンゲンサイ、ニンジン、大根
   ・ジャガイモのように貯蔵するものはなるべく避けて、鮮度が大事なものを作るのが合理的ではないか。ベランダでやるのだから葉ものがお薦め。
 2)蒔きどき
   ・あまり遅く蒔くと葉が増えない。10/20を過ぎると成長点に花ができてしまう。なるべく早く蒔く。
   ・アブラナ科など種子が小さいのでつい蒔きすぎてしまう。ある程度大きくしたいなら間引きが必要。
   ・土にすじを付けて、ハガキを半折りにしたものでトントンとやりながら種を蒔けば、それほど蒔きすぎずに済む。
   ・乾いた土に種子を混ぜてそれごと蒔くと、蒔きすぎずに済む。
 3)害虫
   ・少ない。無農薬でできる。

(4)第4回 秋野菜の手入れ・収穫
 1)収穫
   ・蒔くときと収穫時期は密接。
   ・収穫には一斉に穫るときと、間引きで穫るやり方あり。
   ・シュンギクは途中で茎の摘み取りをする。葉のついている茎には芽が一個ずつあり、その上を穫られるとまた伸びてくる。
 2)肥料
   ・緑が薄いときは肥料不足。
   ・肥料は植物が小さいときはあまり吸収しない。水をやるときに水に溶けて吸収される。
   ・ただ水遣りをすると流れてしまう。できるなら生育に従って肥料をやるとよい。生育時期の短いものは不要。
   ・水耕栽培は生育が非常によい。
   ・慣れてくれば、葉の色を見て肥料不足かどうかわかる。
   ・逆に肥料の効き過ぎもわかる。葉と葉の間が伸びてしまう。
   ・適量は大人の手1握りで化成肥料25g。思い切って握ると50g。それを1㎡にまく。最初は全部土に混ぜてもよい。

2 冬越し野菜の種類と種蒔き期
 ①コマツナ   10月下旬~11月初旬
   ・プランターの強みは移動できるということ。畑は今月のうちに蒔かないと遅い。プランターは11月上旬までOK。
   ・スジ蒔き。スジ間が15㎝位。密植はしない方がよい。
 ②サヤエンドウ 10月下旬~11月初旬
   ・市民農園などを見ると早く蒔いてしまっているのが見られる。そうすると冬の寒さでやられてしまう。10/25~11月上旬までがよい。本葉の数が2枚位が寒さに強くてよい。本葉4,5枚になってしまうと冬で枯れてしまう。
   ・ツルの伸びない種類あり。一般的にツルありは1m~50㎝位伸びる。ツル有りは収穫増える。
   ・スーパーなどで売られているサヤはぺったんこだが、もう少しタネを膨らませても柔らかい。スジは出るが。赤花・白花があるがどちらでもよい。
   ・蒔くときにスイトピーを一緒に蒔くと、切り花も楽しめる。
   ・種子を蒔くときは一昼夜水に浸けるとスムーズに発芽する。
   ・あまり浅く蒔くと寒さでやられてしまう。種子の直径の3倍は土をかける。
   ・3月の初めには春蒔きもできる。
   ・リン酸肥料を必ず元肥に入れる。単肥の肥料(窒素だけなど)の場合リン酸を入れる。種子のすぐ下に吸収できるように入れると、耐寒が強まる。
 ③根みつば  適宜
   ・市場には春先に出回る。
   ・大きく伸ばすには種子からだと時間がかかる。
   ・茎はほんの少しで葉柄を伸ばして利用する野菜。
   ・切りみつばは5月に蒔いて10月に掘り起こし、葉は捨てて根だけ残す。それで温度を20~25℃にすると葉柄が伸びてくる。1回刈り取っても根は生きているのでまた生えてくる。普通3回位可能。
   ・春先に土を盛って葉だけ先から出したものを出荷したのが根みつば。
 ④イチゴの苗  10月下旬~11月上旬
   ・苗の中に春になって生えるいちごが既に入っている。
   ・農家では2株で1パック分のいちごを収穫。第1~第3花房まで出る。ランナーの反対側に花房がつく。
   ・年を取った苗だと実はつくが小さい。若い苗は実は少ないが大きい。小さい苗だと実がつかない。
   ・ランナーの一番のものだと老化苗になる。2番目・3番目のものがよい。
   ・イチゴは本来今頃植えて、春に花が咲いて、5月に実がつく。
   ・ある程度低い温度を経ないと花がつかない。イチゴは寒さに大変強い。シベリアでも生き残る。乾くといけない。

3 保温などの手入れ
   ・透明のビニルで覆うのが基本。
   ・ただ太陽の光に当たると小さなトンネルほど温度は上がり、25℃位にはなる。一方で日が暮れると外温が下がり0℃位になる。
   ・最低温度・最高温度の差は10℃位がよい。
   ・従って日中は温度を下げるためビニルに穴を開ける。むしろ最低温度を下げないことがコツ。放射熱を逃がさないように片屋根の霜よけにする。
   ・プランターで夜の温度をできるだけ下げないようにするには不織布をかける。光が強いのに温度が低いのではよくない。バランスをよくした環境にすること。

4 種子からのイチゴ栽培
   ・イチゴについている種子を使う。新しい品種を作るときにやる手法。ランナーによる苗だとウイルスが伝わることがあるが、種子では伝わらない。
   ・種子のついている実の外側の一部を取り、赤い部分は腐らせ、種子を小さな鉢に蒔く。
   ・イチゴは簡単に芽が出る。梅雨時に本場3、4枚の苗ができる。それを10月まで置くと立派な苗になる。
   ・種子の一つ一つの遺伝子が違うので苗がそろわない。そのため農家はやらない。実際には変異はそれほど出ない。
   ・種子からの苗は膝を越す位の丈まで生育する。元気がいい。

QA
Q1 培養土では腐葉土は要らないか。
A 
・市販の培養土は有機物が腐らせて入っている。こちらの方がよい。オール培養土でもよい。
・追肥は生育に従って化成肥料が無難。
・毎日のように見てやることが大事。野菜の健康状態がわかる。

Q2 プランターの土は1回植えて収穫してから使えるか。根がいっぱいあるが。
A 
・農家は畑の土を換えない。ブドウ園も換えない。土を更新することはない。
・だが土着する悪い病気がある。それが入らなければよい。
・培養土・有機物ではバクテリア、カビが入ることはあっても拮抗作用がある。化学肥料だけだとある種の病気が入ることがある。

Q3 ベランダで風が直に当たるがその対策はどうすべきか。

・プランターが飛ばされないよう結束が必要か。普通は心配内が、暴風などのときはドアの中に入れることがよい。
・一般的には風通しがいい方がよい。湿度がこもると病気になりやすくなる。

Q4 布をかけるのは夜なのか?
A 
・通気性があれば一日中でもよい。密閉するより隙間がある方がよい。
・冬は20℃以上上げない方がよい。風呂敷をかけておくだけでも保温になる。

Q5 根みつばは根を土に植えたが大丈夫か。
A 赤玉・腐葉土に堆肥を入れて土に植えてもいい。課題は肥料分。貯蔵根は水を吸わない。吸収根から吸う。

Q6 イチゴを育てる注意点は何か。
A 
・イチゴは土を乾かさないこと。混ぜる土は栄養をもたせること。腐葉土はよく腐ったものがよい。水分を保ってくれる。未熟だと却って土が乾く。
・実は気温による。夜温かいのはよくない。人間は18℃がよいが、イチゴにはこれは高い。夜10℃、昼間20℃位だと早く実がつく。
・3月の彼岸過ぎになると伸び出す。この頃に肥料を食べ出す。生育を見ながら肥料をやる。沢山どかっとやるよりも、1週間に1回位ずつ。
・葉を大事にしてやること。
・1株20㎝の鉢が適当。いわゆる7号鉢。その1.5倍の丈になる。
・苗の鉢の表面以上には土をかけないこと。

Q7 イチゴの実がつかなかったが受粉はどうするのか。

・自然にチョウ、アブがやってくれるが、寒いときには虫は出ない。
・筆で白い花の中の黄色いオシベにある黄色い花粉をつけてやる。
・時々変形した実があるが、イチゴは種子のあるところのみが膨らむもの。

Q8 ランナーの育て方はどうするのか。
A 
・ランナーが伸びたらはさみで切って、1㎝位残して新しい鉢に植えてやる。
・枝のついていない苗を冷蔵に入れておき、彼岸過ぎにプランターに植えるとクリスマスにいちごができる。冷蔵苗と言う。

Q9 親株は育てるとどうなのか。
A 
・ウイルスの感染は虫がもってくる。
・親株の場合実が小さくなる。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント